石部棚田の米づくり
一年間の作業工程
いよいよ年も明け、日差しも暖かく感じ始める2 月中旬、田おこしは始まります。
田おこしとは、田んぼの土を細かく砕きながら掘り起こし、表層部の土と深部の土をひっくり返し、古株を土の中に混ぜ込む作業。土の表面を空気に触れさせることで、稲の栄養分となる空気中の窒素分が吸収されやすくなります。また、酸素に触れることで、土中の微生物が活発に働き、古株が早く分解されるという効果があります。
前年に作った畦を鍬で半分崩し、傷んだ畦を修復していく作業です。
まずは、畦まわりの草を刈ります(畦草刈り)。次に、鍬を使って畦を切ります。そして、ヒビ割れたところや、穴の開いた箇所を発見しそれを粘土質の土で丁寧にふさぎます。最後に杵で叩いて固めていきます。固く土を締めるイメージで行います。
4 月に入って春本番。田んぼの準備も進みます。「代掻き」は田んぼに初めて水を入れ、土を攪拌して泥状にし、田植えができる状態に近づけていく作業です。まずは、固くなった土を耕し、水が浸透しやすい状態をつくり、水をいれて土を緩めます。ある程度土が緩んだら、耕耘機で土を撹拌。 最後に全体に土が均等になるようにならします。
田植え前の田んぼ準備の最終工程です。 3 月に半分切り崩した畦面に、泥を塗り足して畦を完成させます。こうすることで、田んぼの保水力を高め、水を溜めておくことができます。
最初に、事前に畦の草を刈ります。次に、三本鍬で土を乗せていきます(畦付け)。そして、最後に平鍬で表面を整えます(畦塗り)。
田植えの前に草を刈り、もう一度土を攪拌します。ここまででようやく田んぼの準備が完了しました。いよいよ田んぼでのお米づくりのはじまりです。
片手いっぱいに乗るくらいの苗をちぎって、田んぼの中にいくつか投げておき、印のついた竹を配置します。この竹の棒の印を目安に、苗を4~5 本ずつちぎって植えていきます。
苗の成長と共に、畦や田んぼの中の雑草も元気に育ってしまいます。 放置すれば、稲の成長を阻害したり、風通しが悪くなって病気の原因に。雑草の成長が著しいこの7 月・8 月に「草刈り」と「草取り」を行います。
稲穂もすっかり頭を垂れて、田んぼ一面が美しい黄金色に変わった10 月初旬、いよいよ収穫「稲刈り」です。 鎌を使ってひと株ひと株手刈りをして、「ハザ掛け」を行い、天日乾燥させます。
天日干ししたお米は、乾燥度を測ったのち、「脱穀」(稲束から籾を外す作業)をしてから、「精米」(玄米・白米)へと進みます。
脱穀機にかけられたお米は籾(もみ)となり30kg のお米袋にまとめていきます。まとめられた籾はそのまま精米所へ運び精米します。まずは籾殻を除去して「玄米」にし、そこから糠と胚芽を取り除き「白米」となります。必要に応じて「玄米」「白米」に精米します。