石部棚田とは

特徴

石部(いしぶ)棚田は、
伊豆半島の西側の先端に位置する
静岡県松崎町にあります。
標高120~250mに広がる
約370枚4・2ヘクタールの田んぼは
東日本では珍しい石積みの棚田。
眼下に駿河湾を一望でき
晴れた日には、富士山・南アルプスを
望むことができる絶景の棚田です。
伝統技法による美しい畔と水面
新緑に囲まれた早苗
夏の青い海と緑のコントラスト
秋空と黄金色の稲穂
四季折々の景観が楽しめます。

独特の景観

棚田を眼下にしてすり鉢状に駿河湾が見える独特の景観。空気の澄んだ晴れた日に展望台からは、駿河湾越しに南アルプスの山並み、そして右側の山越には富士山が望めます。棚田、山、海、空が四季折々のコントラストを描く絶景は、平成11年には「静岡県棚田等十選」に認定され、石部棚田となまこ壁の建造物、名産の塩漬けのさくら葉は「日本で最も美しい村連合」にも加盟しています。

石積みと畔

石部という集落名にもなっている通り、昔から良質な石が産出し、石の上で火を焚き海上交通の安全を祈る石火信仰も残り地です。一般的には西日本に多い石積みですが、石部棚田は東日本では珍しく石積みによる棚田が造成されました。
また伝統的な畔塗り技法が伝えられており、江戸時代から変わらぬ姿を残しています。

先人たちの
想いを
受け継ぐ

歴史

石部棚田の歴史は古く、江戸時代後期、文政年間(1820年代)の文書にはすでに山津波が発生し、棚田が跡形もなく崩れ落ちたことが記されています。昭和30年代には、枚数約千枚、総面積は10haにもおよんでいました。しかし、高度経済成長と共に棚田は荒廃し、平成11年には90%が耕作放棄され、茅が密生してしまいました。
平成12年に地域活性の一助として住民が中心になって復田活動が行われ、現在の石部棚田の姿があります。

体験を通して
人と人の
繋がりの場として

農作業体験の場として

平成14年から棚田オーナー制度を取り入れ、都市住民や周辺地域から約100組のオーナー会員やトラスト会員を受け入れています。地元の方の田植え、稲刈りの指導や民宿への宿泊などで都市と農村の交流を深めています。

地元の小学生、高校生、そして特別支援学校(高等部)の生徒の体験を受け入れています。また、大学生のボランティアは石部棚田の耕作維持に大きな力となっています。

NPO団体のボランティアや体験イベントの受入れや「一社一村しずおか運動」として企業の協賛やCSRを受け入れています。

人と人のつながりの場として

5月の田植え後のろうそくによるライトアップイベント「石部の灯り」を開催しています。

11月には石部棚田に関わるアーティストが棚田をステージにしてライブを行い、物産品の販売やキッチンカーが集結する「棚田フェス」が開催されます。